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冬場は光熱費が高いこともあり、紡と天が暮らすマンションでも、度々節電を呼び掛けるチラシが 郵便受けに投函されることが増えた。 特に一月……二十四節気でいうところの大寒は一年で最も寒さが厳しくなる時期であり、どこの 家庭でも暖房器具というのは欠かすことは出来ない。 「天くん、最近よく節電のチラシが入るんですけど……。よかったら、我が家でも節電対策に炬燵でも 入れませんか?」 そう話を切り出したのは、紡からだった。 「炬燵かぁ……。あったかくていいよね。でも、炬燵なんて買った暁には、絶対に春が来るまで、 炬燵から出るのは無理になりそう。」 「ふふっ……天くんのこたつむり、ってわけですね。ちょっと想像すると可愛いです。」 くすっと紡が肩を竦めて笑う。 「天くんのこたつむりも見てみたいので、私、今日はオフなので、ちょっとお店で見て来ますね。」 ******* ネットである程度、物色をしてから、紡は気になったものに目星を付けて直接そのショップを訪ねてみることにした。そのショップは幅広い商品を取り扱いしており、生活雑貨はもちろんのこと、家具など インテリア商品も取り扱いがある。デザインっもシンプルでありながらも、使い勝手のいいものが揃って おり、女性に特に人気のショップだった。 炬燵というアイテムであれば、レトロ感満載のアイテムではあるけれども、最近では少人数用の洒落た デザインのものも販売されており、お手頃な価格で手に入りやすくなっている。 紡は雑貨のコーナーを通り抜け、奥にある家具のコーナーへと赴いた。 家具そのものの展示もあったが、いくつか、ショールームのように家具が展示されていて、インテリア コーディネートのサンプルとして展示されている。 その中にいくつか、炬燵を使ったコーディネートもされており、紡はその一つに目を留めた。 いや――ある意味、一目惚れに近い。 ホワイトの円卓に、優しいパステル調の炬燵布団があしらわれており、これ以外にはもう考えられない と思った。 (リビングの色合いに、とても馴染むし、とっても可愛い。) 紡はふふっと微笑むと、サンプルカードを手に取り、スタッフに声を掛けたのだった。 ******* 炬燵が届いたのは、次の日の夕方だった。紡は大急ぎで仕事を終え、荷物の配達時間に間に合うように帰宅したのだった。 天は早朝からのロケで出掛けており、彼が仕事を終えて帰って来るのを、炬燵を準備して待っていた。 (やはり、炬燵は正解ですね。とってもあったかい。これは……出られなくなりますね……。私まで、 こたつむりになっちゃいそう……。)
「――ん……――ちゃん……紡ちゃん……。」
夕飯が出て来たのはだいぶ遅くになってしまったけれど、また一つ幸せを積み重ねた二人だった。 |
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推しの幸せ🍀😊💕はやっぱり書いていて楽しいですね。 まぁ、私が楽しいだけなんですけどね。 うっかりイチャイチャなHシーン🏩💕に突入するところだったんですけど、シリーズものなので何とか 踏み留まりました。【pixiv】のシリーズ設定していたので、これをR18🔞にすると、他も全部そう指定 されてしまうから。 「Winter Day」ということで、「冬の日常」のワードパレットをお借りしています。 一覧画像はこちら。→Winter Day 配布元:憂様【Twitter】id=torinaxx テーマ1:蜜柑 「甘い」、「筋」、「あーん」 テーマ2:炬燵 「出られない」、「足先」、「じっと見つめる」 このページの壁紙は、紡ちゃんが買った炬燵のイメージカラーで設定しました。 「おこたで蜜柑🍊」の冬❄☃🧣🧦 のド定番を天紡でやってみました。 (2024年1月29日完成、2月5日サイト公開) |