「ただいま。遅くなってしまってごめんね。」
 変装用に使っていた帽子と眼鏡、マスクを取りながら、天がリビングに入って来る。
「天くん、お帰りなさい!」
 ソファーに腰掛けて、天の帰りを待っていた紡は、すぐに立ち上がって愛しい人を出迎える。
「天くん、拝見しましたっ!今回のリリックビデオ!とっても素敵ですね!」
 紡が興奮して、ぎゅっと手を握り締めている。興奮のせいか、頬に紅が差している。
「もう見てくれたんだ。嬉しいな。」
 天は柔らかく微笑み、紡が見ていたパソコンのモニターに流れている自分たちの姿を見やった。
 日本とは異なり、アメニティの整った美しくクラシカルなヨーロッパの街並みを舞台に、TRIGGERの
三名がそれぞれの役柄を演じている。
「美しい街並みに引けを取らずに演じていらっしゃる、TRIGGERの皆さん、新たなる魅力を発見して
 しまいました!」

 紡はもう何度もこの映像を見たのだろう。とても細かいところまで見ていて、さり気ない表情、演出、
表現も逐一称賛してくれる。
「皆さん素敵ですが……やはり、天くんはその……秀逸でして……。」
 紡は、本人を目の前にして、照れ臭そうに言葉を紡いだ。
「ふふっ、ボクを誰だと思っているの?」
 ポンポンと天は紡の頭を撫でた。
「その……怪盗役なんて……ズル過ぎますっ……!あんな可愛いのに、カッコいい天くんを見たら!
 世の中の乙女のハート、全部搔っ攫っちゃうじゃないですか!?」

 林檎のように熟れた頬に手を当てながら、紡の大きな瞳が揺れていた。
「そんなこと、心配していたの……?」
 天はぐいっと紡を抱き寄せると、紡の耳元で囁いた。
「確かに、ファンのみんなは恋人。でも――怪盗であるボクのハートを盗んだのは、キミだけなんだ
 けれど?」

 そして、悪戯っぽくウインクした。
「そんなに嫉妬するなら、今から確かめる……?」
 さらりと紡の緩やかな髪を一筋掬い、口付ける。そして、頬に手を当ててすりすりと愛おしく紡の頬を
撫でる。そして、そっと背中から腰へと愛撫を始めた。
「天くん……ズルいです……そんな煽り方するなんてっ……!」
 服の上から触れられただけなのに、ぞくりとする程の熱を持った天の指先に掛かれば、すぐにも
陥落してしまうのだ。いや、とっくの昔に何もかも、彼の心の檻に無意識に閉じ込められてしまって
いるのだ。
「キミの心も、身体も、ボクだけのもの、だよ。誰にも心奪わせないくらいに、ボクが夢中にさせて
 あげる。」

 腰から回された手が、紡の太腿、そして秘部に近い内股を軽くさする。
「――っ……!?」
 びくっと大きく肩を震わせる紡の姿に、天は満足して、楽しそうに笑った。
「ふふっ、可愛い。ボクがこんなに可愛い宝物、手離すわけわけないでしょ?」
 天は軽々と紡を抱き上げると、そのまま寝室へと連れ込んだ。

 今夜はボクがいつも以上に可愛がってあげる――。

 天は紡をベッドに下ろすと、紡の瞼にそっとキスを落とした。
長い睫毛が、まるでドールのように美しく、天はそっと紡の柔肌を優しく愛撫し始める。
 ゆらゆらと揺れる紡の大きな瞳が、天を映し、その硝子のような煌めきに誘われるように、紡の唇を
奪った。優しく啄むように、何度も何度も優しい口付けを交わしながら、徐々に深く、紡の口腔を
犯していった。優しいキスは、見えない鎖のように、紡の心と身体を支配していく。
「ん……っ……天くん……。」
 息継ぎも出来ないようなほど、絶え間ないキスの嵐の間に間に、愛しい人の名前を読んだ。
「どうしたの、紡ちゃん?」
 ふるふると、紡は頭を横に振った。先程とは、別の意味で顔を真っ赤にしてぎゅっと手は胸元の
ところで握り締めている。
「……その……気持ちよすぎて……。毎回のことですが、どうにかなっちゃいそうで。」
「ふふっ、よかった。」
 天は紡の手をそっと胸元から外し、紡の服に手を掛けると、手際よく脱がせていく。
 天は、首筋にキスをして、舌でぺろぺろと右耳の辺りまで舐めていった。すっと左手をブラジャーの
隙間に差し入れ、紡の乳房を直接柔らかく揉み始める。
「あぁっ……天くんっ……。」
 苦しそうに悶える紡を見て、更に悶えさせようと、天は紡の耳元で甘く囁く。
「紡ちゃん、耳、好きだったよね?」
 ふっと息を吹き掛けると、天の舌が紡の耳を舐め回した。
「あああっ、駄目っ……!耳は駄目っ……!」
 もじもじと悶えながらの抵抗は虚しく、天の舌使いに翻弄されっぱなしである。天は紡に愛撫を施し
ながらも、紡を一糸纏わぬ姿にしていった。
「やっぱり……紡ちゃんは綺麗だね。ボクにとっての、かけがえのない宝物だよ。」
 天も自身も着ていたものを脱ぐと、紡と改めて肌を重ねた。
「本当は、すぐにでも紡ちゃんの中に入りたいけど……もうちょっと、紡ちゃんを堪能してからに
 するね。」

「……天くん……。」
 紡はそっと、天の手を自分の秘花に触れさせた。
「その……私も……早く……天くんがほしい……です。」
 少し触れただけでも分かるくらいに、紡の秘花は濡れそぼり、蜜壺から誘うように滴り落ちる愛液が、
天の指を濡らす。
「まだ、あまり可愛がっていないのに……まだ、これからなのに、こんなにも漏らしちゃったの?」
 天はぐっしょりと濡れた紡の太腿を撫で、更に奥の秘花を指で撫で始める。蜜壺にそっと指を
差し入れると、ぬるぬるとした愛液で溢れている。
「そんなに気持ちよかった……?それとも、ボクがほしくてほしくて、仕方ない?」
 天は分かっているくせに、悪戯な質問を紡に投げ掛けた。そして、紡の蜜壺の奥に指を挿入し、優しく
掻き回した。
「ひやああああんっ……。」
 紡がびくびくと震えると、天は更に紡の一番感じる秘芽を、愛液を擦り付けながら撫で始めた。
「やああああんっ、天さん……意地悪っ……!」
「ふふっ、そんな反応まで可愛い、紡ちゃんがズルいんだよ。」
 天はそっと紡の頬にキスをすると、天は紡の秘花を舐め始めた。ねっとりと絡み付くように、紡の
秘花と秘芽を愛撫する。
「……紡ちゃん、下のお口にもキスされるのが好きだよね。」
「天くんっ……それ、キス……じゃないっ……!」
 更に蜜壺に舌を抜き差しされて、秘芽を舌で嬲られ、紡の快楽の蜜は留まるところを知らなかった。
「紡ちゃん……さすがに今日は煽り過ぎ。さすがに、ボクも限界になりそうだから、もう挿れるね。」
 天は自身の熱杭を紡の秘花に擦り付けると、馴染ませるようにゆっくりと蜜壺に沈めた。
「びっくりするくらいに、ぬるぬるだね。」
 天はわざと紡の耳元で囁いた。
「こんなに感じて濡れるなんて、エッチな子。」
「……天くんがあまりに素敵だからっ……!」
 息も絶え絶えに、無意識に煽ってくる紡に、天は更に参った……と言わんばかりに、
ずんと紡の奥を突いた。
「やああんっ!」
「もう、そんな可愛いことばっかり言う紡ちゃんにはお仕置きかな。もう、優しくなんて
 今夜は出来ないからねっ!」

 天は昂った自身を紡の身体に馴染ませると、最初は浅く、そして奥の奥まで突いた。
紡は奥の奥まで突かれたことで、更なる快楽の波に溺れた。
「やぁああん、天くん……じんじんするっ……。」
 天は紡の豊満な乳房に手を添えると、包み込むように揉み始めた。
「もう……イくね……。」
 天は自身の熱杭を引き出すと、紡のお腹に白濁を吐き出した。

「はぁっ……紡ちゃん、可愛すぎ。」
 二人は情事を済ませて、改めてベッドに横になっていた。
 天は傍らに寄り添う紡の頭を撫でながら、先程のことを思い返していた。
「あの……。」
 紡は何かを言い掛けようとしていたが、すぐに口を摘むんでしまった。
「どうかしたの……?」
「その……実は、まだ体の奥がじんじんしてまして……。」
「あ、ごめんね。痛かった……?」
 天はそっと紡のお腹に手を触れて摩った。紡はびくんとして、掛け布団を頭まで被ってしまった。
「……???」
 そして、そっと紡は顔を出すと。
「その……気持ちよすぎて……実は、まだ天さんの熱が残っているんです。」
 紡は天の手を改めて、自分の秘部に導いた。
「まだ……天さんには、触れていてほしくて……。」
「……!?」
 天は驚きつつも、紡の瞳を見つめながら言った。
「そんなこと言ったら……もう今夜は寝かせてあげられそうにないね。」
 その言葉を皮切りに、再び、夜通し熱くも狂おしい愛撫が続き、紡は頭の先から爪先まで、そして、
身体の奥の奥まで愛されたのだった。

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 その後、撮影もスムーズに進み、彼らのお茶会をテーマにした雑誌は、飛ぶように売れて完売続出と
なり、雑誌では異例の重版決定となったことは、言うまでもない。特に、天のグラビア写真は話題と
なり、愛らしさはもちろん、その穏やかさと柔らかい表情から、女性のファンが更に急増したのだった。


サイトに掲載するに当たって、大幅に加筆修正しました。中途半端に終わっていたエロシーン🔞
書き切りました。ちょうどこの頃、エロ🔞を書くのにちょっと飽きてしまっていた時期だったので、
本当に消化不良のまま、公開しちゃったんですよね🙄🙄🙄
エロ🔞って、まぁ推しCPをいちゃつかせるのはいいんですけど、書くのはノーマルでエロシーン🔞
なくてもそっちの方が、書く分には楽しいよな……なんて考えてしまっていた時期でした。
今はまた書きたくなったので、大幅に加筆修正した次第です。
(2022年9月18日完成、2023年11月4日に大幅に加筆修正の上サイト公開)