「天さん、こんばんは。」
 天は自身以外誰もいなかった部屋に、小鳥の囀りを聞いた。
「お帰り、紡さん。」
 紡より一足先に隠れ家のマンションに着いていた天は、待っていた愛しい小鳥を、花の笑顔で
迎え入れた。一人でいるには、静かすぎる部屋だけれど、小鳥遊紡という存在が、まるで陽だまりの
ように、優しい花が咲き乱れる花園のように、癒しの空間へと変わっていく。
「それにしても――急に部屋に来る、なんて言うから、ちょっと驚いたよ。」
 天は紅茶の用意をしながら、紡をソファーに座るように促した。
「天さんに実は、急遽、私から贈らせて頂きたいものがありまして……!」
 えへへ、と紡ははにかんだ。
「そう。こんな夜遅くに、わざわざボクの部屋に来るほど、急を要することなの?」
 天は用意した紅茶を、紡の前に出しながら、言葉を続けた。
「……てっきりボクにいけないことされに来たのかと思って、ちょっと期待したんだけど。」
 ちらりと紡に視線を向けると、紡は顔を真っ赤に染めて、取り乱して応えた。
「天さんに実は、急遽、私から贈らせて頂きたいものがありましてっ……!」
 そう言うと、ペーパーバッグを天の目の前に差し出した。
「ふふっ、何だかよく分からないけれど、ありがとう。開けていい?」
「はい、どうぞ。ちょっとでも、天さんの癒しになればいいかな……って。」
 中から出て来たものの包みを解くと、1つは様々な花や植物が閉じ込められたハーバリウム、そして、
もう1つはアロママッサージのオイルだった。
「へぇ、綺麗だね。ハーバリウムって、今、女の子の間で流行っているって聞いたけど、仕事ばっかり
 しているキミが、しっかり流行を抑えているなんて、意外っていうか、流石っていうか。」

「そこは、素直に褒めて下さい……。」
 紡は口を尖らせて、そっぽを向いた。
「毎日お仕事を頑張っている天さんの疲れが、ちょっとでも取れたらいいな、って思ったのに……。」
「じゃあ、キミがボクのために、マッサージでもしてくれる、っていうの?」
 天は紡の肩を抱くと、耳元で囁いた。どこか艶めきを帯びた声に、紡の心臓は飛び跳ねた。
「――ひゃああっ!」
 ふっと耳に掛かる吐息に驚いた、紡の口から、変な悲鳴が飛び出した。そんな紡を尻目に、天は早速、
紡の買って来たマッサージオイルを手に出して、手に馴染ませた。そして、天は自分の指に、紡の指を
絡ませてオイルを馴染ませてきた。優しい香りを放ちながらも、ぬるぬると滑りのいいオイルをまとった
天の指先は色気を帯びて、紡の細い指を擦り合わせ、絡め取る。
「――っ……や……天くんっ……!」
「どうかしたの……?紡さん、そんな声出して。」
 涼やかな声が耳元で、更に刺激を加える。天は楽しそうに、紡の指を弄ぶ。真っ赤になって、息を
荒げる紡を、もっと気持ちよくさせたい欲望に駆られる。
「天くん……ずるいっ……!」
 紡は涙目になって、天を睨み付けたが、そんな姿さえも、天にとっては愛しいばかりだった。
更に、天はオイルを手に取り、すっとフレアスカートの下に手を忍ばせると、薄いストッキングを
脱がせ、直接紡の柔らかい太腿に触れた。
「きゃあっ!……今日は……天くんを癒そうと思って……来たのに……。」
「そう……?ボクは紡にこうして触れて、十分癒されているけど?」
 そして、スカートをそのまま脱がせると、白いブラウスから伸びる紡の細い肢体に、天は目を細めた。
 真っ赤に耳まで染め上げ、荒く息を吐き、薄っすらと手足も紅をまとうその姿に、男なら欲情しない
方が無理な話だろう。
「ふふっ、いい眺め。」
 天は喘ぐ紡の口を、自分の唇で塞いだ。貪るように、紡を抱き締め、紡もまた、天を抱き締めた。
 紡の背中を、天はしなやかで長い指を這わせ、紡を一層攻め立てる。駆け巡る快感を受けて、弓形に
背中を撓らせると、天は無防備になった紡の胸元に口付けを落とした。
「ひゃあああんっ!」
 天は紡が着ているブラのホックを外し、着ているブラウスと共に床に投げ捨てた。そして、紡の
柔らかな胸に顔を埋めた。そして、ぽつりと呟いた。
「ねぇ……紡。ボクにとっての癒しは、キミにこうして触れることだよ。だから、気遣いは嬉しい
 けれど、他に何もいらない――。」

「天くん……!」
 天は一旦紡から離れ、着ていたカットソーを脱いで、上半身を曝け出した。常にアイドルとして、
鍛錬を怠らず、ストイックに磨き上げられた体は、引き締ってはいるものの、大人の色気と少年の
危うさを持つ艶めきを放つ。
(本当は、ボクだってドキドキしている――なんて言ったら、キミは驚くのかな。)
 天は再び、紡を腕の中に抱き締めた。紡は改めて、直接天の肌に触れて、鼓動が高鳴った。
 紡の背中を這う指が、紡を覆っている最後の布に辿り着いた。そっと臀部を揉み、そして、その中に
侵入し、尻の割れ目をなぞる。
「……きゃっ……!」
 紡が肩を竦めたが、更に割れ目の奥、紡の秘所に指を這わせ、濡れた秘花を指で撫で回した。
「今触れたばっかりなのに、こんなに感じるなんて、エッチな子。」
 そして、ずぶりと指を2本、紡の密壺に埋めて、天は細くしなやかな指で刺激を与えた。
「……天……くん……!や……っ……!」
 天は満足そうに微笑むと、紡を覆っていたショーツを取り払った。そして、紡をソファーに横たえた。
「もっと、気持ちよくしてあげる。」
 天はマッサージオイルを手に馴染ませると、その指を紡の秘花に宛がった。1枚1枚、肉襞を開かせ、
快楽の花を咲かせるように、丁寧にオイルを滑らせ、馴染ませていく。ふるふると震える紡の密壺から、
止め処なく愛液が滴り、隠微な花を咲かせていく。そして、紡の感じやすい花芽を指先で嬲る。
蠢き、天の指を奥の奥まで誘い出す魅惑の花……。ぐちょぐちょと淫乱で卑猥な音が、部屋に響く。
「……天……くん……もう……挿れてほしいの……。」
 天はすべてを脱ぎ、紡の上に馬乗りになった。
「……そんな可愛いおねだりされたら、もっと苛めたくなるね。」
 アロマオイルの相乗効果もあってか、二人は力尽きるまで、交わり合った。
 紡が本来、天を癒すために持って来たアロマオイルは、癒すため……というよりも、逆になかなか
仕事柄会えない天のフラストレーションという恋煩いの炎に、油を注いだだけで終わってしまった。

*******

 彼女は、ボクを癒すため……なんて可愛いことを言ってくれるけれど、彼女の存在そのものが癒しに
なっているのだけれど……。
 まるで、彼女が贈ってくれたハーバリウムのように――。一つ一つ変わるキミという花を閉じ込めて、
キミと過ごす癒しの時間こそが、まるでハーバリウムだってこと、キミは気付いていないのだろうね。

漫画にするのは時間が掛かるので、とりあえず、ネタ倉庫的な感じで、たまに小説もアップしようと
思っています。あまり、頻繁に更新は出来ないとは思いますが🥹💦
ツンデレでかっこいい天くんはどこにもいません。紡ちゃんがいれば、からかいたくて仕方ない、中学生
男子のようです。天紡には、普段ストイックな分、2人っきりの時くらいは、いちゃいちゃ💕して
おいてほしいです。いろんな方の地雷💣💥を踏み抜きそうですが💦自己責任で閲覧をお願い致します。
イメージを崩されたくない方、18歳以下の方は、お互いのために、回れ右でお願いします。
(2018年7月18日完成)